2011年2月6日日曜日

生きる支え

蝋燭が溶けて朽ちていくように、母の脳が崩れていく

それは、記憶、言動、感情だけでなく、行動まで蝕んでいく



会話がつながらない

俺に何を伝えたいのかがわからない
何を考えているのか、わからない

俺を見て、何かを伝えたくて、目の前で佇んでいる
何かを、その溶けていく脳で考えている

それは、叶わず、やがて、目を伏し、座り込む
電池が切れたおもちゃのように、動かなくなる


膝頭の上で、何かを祈るように指を組み、じっと見つめだす
目に映るものは老いか夢か、過去の記憶か・・・

今、母は何を思っているんだろう
何を、気持ちの柱にしているんだろう

何を求めているんだろう


楽しい過去か
新しい未来か

それとも、死か


その答えは、組んだ指の中にあるのだろうか・・・

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