2011年11月23日水曜日

幼いころ、祖母の手を引いて遊びをせがんだ時、
何気なく見つめた祖母の手の甲の、薄くピンと張ったような皮膚の様子を覚えている。

今にも切れてしまいそうな、細く、か弱い手だった。
歳を重ねると、いずれこうなるのだろうと、自分の丸っこい肉厚の幼い手と見比べていた。

今日、食後に母親の手を洗い、タオルで拭き取ったその手を見て、祖母の手の甲の記憶がフラッシュバックした。

同じだった。

むしろ母親のほうが、衰え、やせ細り、薄い布が骨に被さっているだけの、生気のない手だった。
その手で、何かを掴もうと、おぼつかない仕草で指を動かしている。

指の先の、掴もうとしている何かは、失った記憶なのか・・・

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