2012年5月28日月曜日

病院へ

お袋の腰(骨)の状態は思ったほど良く無く、医者が入院を勧めた。
サバサバした外科先生で、はっきりと物事を説明をしてくれる。

先生曰く、「母親の症状は良くないけど、入院を勧めるのは本人のためでなく、介護をするあなたのため」だという。

「入院したからといって治るものじゃないし、いまさら手術なんて身体がもたない」
「本人は、ただ寝せるだけだけどね。でも、預かるよ。」

この前の朝も、トイレでの排泄がわからず、俺にしつこく聞いてくる。
「トイレはどこ?」
「どうやってするのかわかんない」
「どこに座るの?」

もう、トイレを前にして、場所さえもわからない。

ちょっと意地悪く、返答する。
いつもは、俺がズボンを脱がせ、座らせ、肩を叩きながら排尿を促すが、今回は全部やらせてみよう、と。

「目の前にあるでしょ!」
「その穴の開いたところに座るの!」
「ズボンを脱いで!」
「その白い便座に腰掛けるんだってーの!」

「どこ?」
「ズボンは脱ぐの?」

結局、ちょっと目線をはずした瞬間に、便座のまえにしゃがんで、床に直接排尿されてしまった。

こんな状態が続くなら、病院で引き取ってくれるほうが楽なのは間違いない。
でも、今まで一生懸命尽くして、恩返しのつもりで頑張ってきたから、なんだか虚しさが残る。

お向かいの親父さんに相談する。
お向かいでも、おばあちゃんが同じ症状で、少し前から病院で預かってもらっている。

聞けば、数か月で家に返されることになるからやってみな、とのアドバイス。
病院にも相談し、結果、来月入院することになった。

入院の準備をしよう。

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