2012年8月18日土曜日

お盆と通院

毎月1回、母親を地元の病院へ連れて行く。
以前、急激に血圧と体温が下がり、仮死状態に近い状態になって以来、一層親身に診てくれるようになった。
血圧の状態が安定せず、高かったり低かったり。
今回は上が160、下は64。
ちょっと高いけど、でもだいぶ良くなった。
薬のおかげもあるんだろうけど。

最近はおとなしく病院へ行けるようになった。
一昔前まで、「何故行くのか」と大分抵抗しながら無理やり車に乗せたが、今では何の疑いもなく連れて行ける。
それだけ認知が進んでいるということなんだけど・・・

今日は俺が支払いを待っている最中、ちょっとうたた寝した隙に、病院から出て行ってしまった。
玄関近くにいたのですぐに見つかったけど、こういったところも病気進行のせいなんだろう・・・

病院から帰ってサンドイッチを食べていると、手を拭こうと途中でトイレットペーパーをいじりだし始める。
そのうち、サンドイッチを食べることを忘れ、違うことをやり始める。




お盆で来ていた父さんへ。

いつも毎日、仏壇をキレイに掃除し、季節ごとに綺麗な花を添えていた。
いつも毎朝、炊き立ての一番米をお供えし、線香を一本点けて、丹念に手を合わせていた。

目を閉じ、祈り、唱え・・・ゆっくり目を開け、額に合わせた手を胸に置いて、遺影を眺めていた。

それが、母の日課だった。

最愛の父への切なる祈りだった。
自分と、子供たちの、幸せと、健康を願って・・・・
短かった父の人生を、自分たちが生きていくから、と。

今は・・・・
自分の便がついた指で、仏壇の花を取り出し、本に挟み込み、トイレットペーパーでくるんでいる。

「もう一人分、やっておこうか?」と尋ねてくる。

認知症はどこまで進むんだろう・・・・
もう、父がわからない、母になってしまった・・・・

もう、母でない母になってしまったよ・・・

でも、大切な、たった一人の親。
あのときの祈りは、今も、通じている。

母は、一生懸命、生きてるよ。
俺が、支えるよ。

父さん・・・
そっちから、見てくれているかな?

いつか、逢えるまで、
ずっと、見守っていてください。




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