2012年8月19日日曜日

お墓参り

父は39歳でこの世を去った。
俺が中学生になった年の夏だった。
短く、あっという間の人生だった。

幼いころは、中々父親の死を飲み込めず、きっと帰ってくるような気がしていた。
新盆のとき、蝉の鳴声と大気の熱で押しつぶされそうな夏の午後、汗をぬぐいながら、父親の墓前に線香を添えていく人たちと、墓石に掘られた名字と、父の名前を見て、ようやく実感したものだった。

ウチの家系は代々「山﨑」で、サキの文字が、いわゆる「タツサキ」という旧字体なんだが、自分でも小さいころは「山崎」いわゆる「オオサキ」と書いていた。
確か、父の実家でも「オオサキ」と書いていた。

ところが、父親の墓石を見ると「タツサキ」と彫られていているし、先祖代々の墓を見てみると、みな「タツサキ」だった。

父の死を飲み込んだ頃、墓を見て自分の名字に疑問を抱いた。

よくよく聞いてみると、伯父が面倒くさがって「オオサキ」にしてしまったのだそうだ。
自分の家では「タツサキ」のまま使用し、住民登録もそのまま。

でも、パソコンが普及し始めたころは、変換ができずに仕方なく「オオサキ」として書いていたが、最近ではすっかり普及し「タツサキ」も変換できる時代になった。

ちなみに、最近結婚した俺の弟も、面倒くさかったのか、「オオサキ」で登録したそうだ。
画数が変わると運気も変わるっていうしね。



ま、どっちでもいい話なんだけど、ね。

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